アニメと実写の違い

AfterEffects

今回は僕がアニメ業界に入ったときに感じた実写業界との違いをお話して行きたいと思います。

実写と違い撮影素材を作るところから始めなければならない

実写と違いカメラで撮った撮影データは当然ないので、まずはそのデータを作ることから始まります。そもそも昔のアニメの「撮影」はカメラで撮る作業だったのでアニメの「撮影」の工程がこのSHOOT(実写でいう撮影データ)を作る作業であることは当然ですね。

用語の意味が違ったり、伝わらない用語がある

アニメ業界に入って面白かったのはここです。
今まで使っていた用語の意味が違ったりして監督とすれ違いがあったりしました。

用語の違い①「パラ」

通常実写、特に編集ではパラって聞くと「パラ消し」「パラ」のことを思い浮かべることが多いと思います。この「パラ」とはフィルムをデジタルデータにするとき元々フィルムについていた埃や糸くず、汚れなどがそのままデジタルデータに転写されてしまった時のゴミのことです。
よく見る古いフィルムの演出としてある黒い粒や線のあれです。
アニメ撮影ではパラ=パラフィンのことのようで、画面の一部を暗くしたり、色付きのフィルターをかけるイメージです。
なのでアニメ業界で言われた場合、指示された場所を暗くするのが正解です。

はやしま君
はやしま君

ちなみに、実写の撮影業界ではパラフィン紙を使うことは現在あんまりないみたい。だけど、昔の名残からか曇ってる時とかに1段2段光量が落ちてる的な意味合いで、「1パラ」「2パラ」とかって今でも使うみたい

用語の違い②「PAN=ドリー」

実写でのPANはカメラの三脚を軸に首を左右どちらかに振ることですが、アニメの場合は撮影で言うところのレールドリーのような演出になります。
最初言われたときは演出に対して背景が全然足りないなーと思いつつもコンテは明らかにドリーだったのでそういうことかなって思いながらつけた記憶があります。

用語の違い③「トラックアップorバック=全部デジタルズームorアウト」

トラックアップ(TU)やトラックバック(TB)は実写の撮影だと被写体に向かってカメラが寄っていくことです。しかしアニメ版のTU、TBはカメラの拡大縮小つまりデジタルズームを指すことが大半です。
実写のTUとデジタルズームとの違いは、トラックアップの方はカメラと背景の位置が変わるので開始点と終了点で背景の大きさが変わります。デジタルズームはそのまま開始点の画を拡大しただけになります。

はやしま君
はやしま君

ちなみに、このズームとドリーを両方使ったズームドリーって言う超かっこいい技もあるよ。これはヒッチコック監督の映画「めまい」で考案されたとされる技法で、被写体にカメラが近づいた分ズームアウトして画面の被写体の大きさを変えずに背景の大きさを変える撮影技法だよ。この映画にちなんで「めまいカット」なんて呼ばれたりするよ!

背景が伸びて見えなかった部分が見えてくる印象的な演出になります。
※アニメだとわざと完璧にズーム率を合わさないようにしたほうが生感が出ると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか、僕がアニメ業界に入って実写業界と違ったところをピックアップしてみました。アニメ業界ならではの理由や原因があって僕は面白いと感じました。

このブログでは今後今回説明した「撮影」あれこれだったり、副業に役立つ編集のtipsを発信していきたいと思っています。
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